新卒の障がい者採用において、学歴はどれほど影響するでしょうか?
新卒の就職活動において「学歴フィルター」という言葉は、
多くの学生の耳に届いており、実際に運用している企業も少なくありません。
障がい者採用の裏側を理解することで
恐れなくてもよいものだ、と感じられるはず…!
この記事では、学歴フィルターの存在意義や
障がい者採用における学歴フィルターの存在、
それを乗り越える具体的な対策方法を詳しく解説します。
- 大手企業を目指したいが学歴に自信がない
- 学歴フィルターがありそうで応募を躊躇している企業がある
学歴フィルターとは何か?
学歴フィルターの定義
学歴フィルターは、採用選考時に特定の学歴を持つ人物のみを合格とする、
あるいは特定の学歴を持たない人は不合格とする行為を指します。
表面的には「履歴書情報」=選考の対象ではないと見せかけて
他にES設問等に回答させているにも関わらず、それらを見ずに
学歴のみで合格/不合格を決定しているケースが多いです。
「弊社は旧帝大・早慶しか採用しません」と明記していれば
印象の良し悪しはさておきフェアだと思いますが、
実際にはそんなことは表面に出さず、裏でひっそりと学歴フィルターを実行しています。
そのため、「学歴フィルターは理不尽」とネガティブに見えるのです。
通常採用の学歴フィルター導入状況
一見理不尽な学歴フィルターですが、実際の導入状況はいかがなものか。
人事向けポータルサイト「HR pro」の記事によると
各社人事向けに「採用戦略におけるターゲット大学を設定しているか?」と確認した結果
従業員1,000名を超える大手企業は半数以上の56%が「している」と回答。
学歴で見てターゲットでない人は工数をかけて選考をしない、と考えられますので
ターゲット大学を決めている=学歴フィルターをしていると捉えて違和感はないです。
また、ここは採用担当としての個人的な所感ですが
このようなアンケートを回答するにあたり
実際には学歴を見ているのに印象を気にして「学歴を見ていない」と
回答するケースが多々あります。
そのため、実態はより多くの企業が学歴を見ていると思われます。
なぜ学歴フィルターを使うのか?
ずばり、効率よく選考をしたいからです。
採用人数30名のところに5,000人の学生エントリーがあったら
5,000人分の書類選考内容(ES等)を熟読し、
一次面接をして、より役職のある面接官が二次面接をして…
となると選考の序盤からけっこう大変だなあ、と思います。
そこで書類選考の時点で学歴で対象者を絞り、
対象の大学に通っている人の分だけESを熟読して選考をするのです。
ESは1つ1つ読まないと合否を付けられませんが、
学歴は履歴書情報をエクセル等でダウンロードして
フィルターを書ければ一発で絞れますからね…
どんな企業が学歴フィルターを使うのか?
前段から想像がつくかもしれませんが、
学歴フィルターを使うのは学生に人気の大手企業です。
例えばあまり人気ではない企業の場合、
採用数が30名だとしてエントリー数も30名だとしたら
学歴で落としている場合ではありません。
ターゲット大学でなくても面接などで採用可能性があるかを
見極める必要が出てきます。
そのため、みなさんが名前を知っているような企業こそ
学歴フィルターを用いて効率よく選考をしている可能性が高いです。
ターゲットか否かというよりは、過去のデータを分析して
「この大学は相当数エントリーがあったのに1人も内定していない」というゾーンを特定して不合格にしています。
障がい者採用に学歴フィルターはあるのか?
障がい者採用に学歴フィルターはない
結論、障がい者採用に学歴フィルターはない(高確率で。)と言えます。
採用担当目線での障がい者採用は、
国から定められた法定雇用率の達成はマストであるものの、
現実的には障がいのある方で働く意欲がある人は世の中にごく少数。
万単位でエントリーが来る超大手企業であっても、
障がい者採用においては書類選考~面接でどんどん絞って…という進め方は
できません。(と私の経験上言えます。)
実際に私も障がい者採用の書類選考を数多く対応してきましたが、
学歴のみが理由で不合格にしたことは1度もありません。
今後さらに障がい者の法定雇用率上昇が見込まれる中で、
学歴のみで落としてしまうなんて余裕のある企業はないと思われます。
学歴を乗り越えて書類選考を突破するには
障がい者であることを明記する
書類選考時に障がい者であることをきちんと明記しましょう。
通常採用であっても履歴書情報にて
障がい手帳の有無は必ず聞かれる項目ですので
そこできちんと手帳ありの旨と書く欄があれば内容も記載してください。
エントリーシートをしっかり書く
学歴フィルターがないとなると、内容をしっかり見て選考をされます。
そのためエントリーシートではこれまでがんばったことや人となりが伝わるように
対策をしながらしっかり書くようにしましょう。
またの機会に別の記事でまとめたいと思います。
書類選考の後には複数回の面接が続きますが
障がい者採用は面接までの通過率が高く、
また障がいについてヒアリングが入ることからセンシティブさを考慮して
1:1の個人面接であることが多いです。
そのため、一次面接から面接官にじっくり話を聞いてもらえるということで
早い段階から学生時代がんばったことや志望理由を
きちんと練っておくことが求められます。
エントリーシートはその後の面接で話す内容の
ベースにもなりますので
エントリーシートを推敲して良い内容にするということが
内定の近道となります。
障がい者採用は学歴フィルターを恐れず進もう
障がい者採用は世の中の母数が少なく
選考の序盤から工数をかけて1人1人の合否を丁寧に確認する必要があり、
そのため学歴をはじめ履歴書の1項目でデジタルジャッジ→不合格、となるケースは
ほとんどないと言えます。
なので学歴に自信がない就活生も学歴フィルターを恐れることなく、
書類選考であればエントリーシート設問への回答、
面接であれば想定質問に対する回答の準備にしっかり時間を使って
対策をしていきましょう。
企業目線で採用活動をする際にどんな手法をどんなときに使いたいのか?という
視点で考えてみると、おのずと本質的に何を準備すべきかが見えてきそうです。