全般

障がい者採用で就活する新卒学生へ伝えたいこと

これから就活をはじめる学生さんは
就活自体も初めてで、その上障がいのことも考えて進めなければいけないし
心配や不安に思ってしまうこともあると思います。

私は採用担当として障がいのある学生達と接してきましたが
「そこまで不安に思わなくても順を追ってやれば大丈夫よ」
「それは勘違いかも…!心配に思ってるそれは企業目線では懸念じゃないよ」
といった声をかける場面が本当に本当に多くありました。
なので、これらの経験を踏まえて
これから障がい者採用で就活を始めようとしている学生に
伝えたいことをまとめてみました。

この記事ではテーマに沿って役立つ情報を書いたというよりは
私個人の想いに近い内容ですので
肩の力を抜いて読んでいただけたらと思います。

この記事はこんな人におすすめ
  • これから障がい者採用で就活を始めようとしている学生
  • 障がい者採用で就活をしているがうまくいかない学生

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障がいは就活に置いて有利である

語弊や受け取り側の気持ちをあまり気にせず表現させていただきますが、
就活において障がいがあるということは有利です。

障がいのある方を雇用するメリットは多岐に渡りますが、
一定規模以上の企業は法定雇用率の達成が求められているという背景もあり
障がいのある学生を積極的に採用しています。

法定雇用率とは?

日本国内では障がい者雇用の推進を目的として、
一定規模以上の従業員数を抱える企業は国が定めた一定の障がい者雇用の割合を達成することが求められています。
これを法定雇用率といい、厚生労働省にて以下のように詳細に定義されています。

引用元:厚生労働省 障害者雇用率制度の概要

本記事執筆時点(2024/2)での民間企業の法定雇用率は2.3%
つまり従業員を43.5人以上雇用している企業では、
障がい者を1人以上雇わなければなりません。
世の中の障がい者の人数を考えるとこれは相当ハードルが高いのです。

法定雇用率を超えて雇用することができれば奨励金が入りますが、
法定雇用率を達成していない企業はハローワークからの行政指導が入り、
雇用率を達成するための計画の提出を求められます。
また、従業員数が100名を超える会社は一定金額の納付金を国に支払う必要があります。

人事 まちこ
人事 まちこ
この納付金がけっこうな金額なのです…
納付金を払うことで国内全体の障がい者雇用推進につながるのだけど
一定の障がい者が働く環境がある企業目線では
納付金よりも障がい者雇用をして奨励金と労働力も得られる方が良いのです。

障がい者採用は採用目標数の外数となるケースも多い

一般的に、企業が新卒採用をするにあたって目標数が大まかに決まっています
私の会社でも年間300名、400名といった規模感で目標数が決まっていました。

ですが、障がい者採用は目標数の外数となることが多いです。
新卒採用では目標数を大幅に超える人数の採用は人件費負担の観点で難しく
内定レベルの学生がいても採用数コントロールのために不合格にすることがあります。

しかし、前述のとおり障がい者の雇用人数によって
奨励金がもらえたり納金を払ったりということが発生するので
障がい者採用では多く採用できればできるほど良いのです。
内定レベルの学生が居れば
元々新卒を入れる予定がなかった組織にも交渉して、
配属先を新たに開拓してでも内定を出しています。

そのため、学生目線で
「少し出遅れたかも…?」「4年の6月をすぎてエントリーは遅いよね…?」と
思うことがあるかもしれませんが
障がい者採用においては全然関係なくて年中ウェルカム状態なのです。

自分の障がいについて隠さず伝えてほしい

働くためにこういう配慮が必要である、と伝えることに
後ろめたさがあるのか控えめに話される学生をよく見ます。

人事 まちこ
人事 まちこ
遠慮しているのだとしたら、気持ちは分かるけども…


ですが、企業側としてはなるべくオープンに伝えてほしいです。
本来は配慮可能で採用実績が多くある障がい種別でも
ご本人申告の配慮で無理なく働いてもらえるイメージが湧かなければ
採用することができません。

一定の障がい者雇用をしている企業であれば
あらゆるサポートが可能ですし
今は社内にない設備やツールが必要な場合も
そのために法定雇用率達成時に給付される奨励金がある訳です…!
新たな設備やツールを取り入れることが
今後の障がい者採用拡大にもつながります。

面接で伝えられるよう言語化しよう

障がいの状況や必要な配慮は
働く環境を準備するために必要で重要な情報です。

また、それを分かりやすく伝えられるということは
自己理解力や説明能力があるという点も伝わるので
面接評価の観点でも有利に働きます。
ですので、言語化して伝えられるようにしっかり事前準備をしておきましょう。

面接での質問例・回答例は以下の記事にまとめていますので
もしよければ参考にしてください。

採用実績がない=入社できない、は勘違い

採用イベントや面接でよく聞かれるのは
私と同じ障がい方の採用実績はありますか?」という質問。
社内でも一定数いる聴覚障がいや心臓障がいであれば
「実績が多くあるので安心してくださいね」と伝えられますが
実績が少ない/ない障がいも多くあります。

気になることだと思うので質問すること自体は大賛成、
でもその結果、実績が少ない/ないというケースでも諦めないでほしいです。
世の中に母数が少ない障がい者の中で
さらに同じ障がいで、さらに同じ企業の選考を受けて…という人が
複数いる確率がそもそも低いです…!
「たまたま居なかっただけ」と捉えてまずは選考に進んでみて欲しいです。

精神・発達障がいの採用も拡大中

前述の内容を読んでも一部の障がいの方は
「いや、たまたま居なかったのではなく採用できないから居ないんでしょ…?」
と思うかもしれません。

例えば精神障がい発達障がい
これらの方々は身体障がいや内部障がいの方と比べると
どうしても採用が難しいと捉える企業が多いです。
それでも、これから法定雇用率の引き上げが見込まれる中で
これまで採用実績のなかった障がい種別の雇用も拡大しようという企業が増えています。

人事 まちこ
人事 まちこ
実際、私が働いている会社でも
精神・発達障がいの採用は過去にはほぼなかったのですが
2022年ごろから実績としてでてきました。

ネット上の情報・ノウハウより人と話そう

障がい者採用はどうしても

  • 世の中で「障がいのある学生」の母数が少ない
  • 同じ障がい種別だとしても状況や必要な配慮は個人による

という性質から、
ネットで調べて出てくるような就活ノウハウに頼り切って進めるのは危険ですし、
なかなか求める情報が出てこなくて困ることも多いと思います。

調べられそうなことはネット検索しつつも
企業の採用担当など実際に障がい者採用に携わる人と
直接会話をした方が欲しい情報が得られたり
自身の可能性に気づくことができるはずです。

特定の企業・採用担当との接点がまだない場合には
面談会のような就活イベントに参加したり
新卒対応の障がい者採用エージェントと面談してみるのがお勧めです。

\\面談会イベントを探す//

\\障がい者採用の専門家に相談する//

障がい者採用の世界を理解して不安なく就活しよう

障がい者採用は一般的な採用活動とはまた別の特殊性があり、
前提としては超売り手市場(=学生が就職しやすい)のため
知れば知るほど、
不安に思わなくてよい」「有利に進められそう」と感じるポイントが
あると考えています。

とはいえ、就職活動自体が初めての経験で
不安なことも多いと思いますが
なるべく前向きに、なるべく楽しんで進めてほしいです。

他の記事にも新卒障がい者採用の就活をする学生に役立つ(役立ってほしい)情報を
記載していますので、ぜひ読んでみてください。

ABOUT ME
人事のまちこ
都内在住の30代、 大手のザ・日本企業で10年以上人事をしています。 障がい者採用は一般的な採用活動とは異なり、 様々な採用業務を経験した私にとっても特殊で奥深い世界。 それらの裏側を知ってもらうことで 障がい者の就活を不安なくポジティブに進められるよう 情報発信をしています!